神宮会館での夕食を堪能し、一泊。
↑時刻は朝の5:30。目が覚めて、カーテンを開け、網戸越しに見た空には輝く太陽!
昨日までのざんざん降りをもたらした台風は過ぎ去り、今日はなんとも清々しい快晴です! 良かった! 急いで身支度を済ませ、内宮の早朝参拝へ向かいます!
台風一過
↑朝6:30に神宮会館を出発!
↑神宮会館前の道路を渡り(近くに押しボタン式の信号機があります)、おかげ横丁、おはらい町を歩いて内宮へ。
赤福は営業中
↑赤福は営業中。さすが午前五時開店。
↑しかし、他の店はまだ営業前。赤福が早朝に開店することから、他の店も朝が早いイメージを持っていたので、これはちょっと意外でした。
けれど、開店準備は粛々と進んでいるようで、色んなダシの匂い、寿司飯の香りなんかが漂ってきていました。
注連飾り、猫
↑伊勢らしい注連(しめ)飾り。
↑コンビニの前では猫がひなたぼっこ中。
↑人気(ひとけ)のないおはらい町を過ぎると、内宮の宇治橋が見えてきました!
内宮は爽やかのかたまり
↑人のいない参道。洗われたようにみずみずしい空。爽やかのかたまりです。気持ちが良い!
台風直撃日に伊勢に来たけれど、おかげで、台風一過のこんな艶やかな伊勢も見ることができてありがたいです!
↑御正宮に至る階段に到着! 台風で飛び散った枯れ葉を、整備員の方々が掃除しています。ブオーンという爆音のする機械で、枯れ葉を吹き飛ばす整備員さん。この爆音の中で御垣内参拝をするのか~。まあ、それも縁なのかな……と思いながら鳥居へ。
南宿衛屋へ
↑まず、外宮での御垣内特別参拝のときと同じように、「南宿衛屋」に行きます。
平安貴族のような神職さんが、ここでも熱心に書き物をしてらっしゃいました。私たちが現れた気配にも気づかないようです。
「おはようございます!」と私は声を掛けました。すると、神職さんからも「おはようございます」のお返事。そしてまた、神職さんは書き物のお仕事の続きに入られました。
あら……あらあら(笑)。外宮のときのように、何の御用ですか? という感じの目配せくらいはあるかと期待していたらそうはいかず。そうか、じゃあこっちからもっと積極的に行かなくちゃ!
「あの、特別参拝をさせていただきたいのですが」と声を張ると、神職さんはようやくこちらに来てくださいました。参宮証を渡します。↓
↑外宮のスタンプが押された参宮証。参宮証は切り取り線からもぎられ、神職さんに回収されます(切り取り線から左の部分は返却されました)。
靴事件再び
記帳をし、お浄めをしていただき、神職さんの先導で私たちは静かに外玉垣(そとたまがき)に沿った砂利道を歩きました。↓
↑清々しい風と、清新な陽の光。ああ、これで、「外宮、内宮で御垣内特別参拝をする」という夢が叶えられるんだ……! と、晴れがましい気持ちでいっぱいだったそのとき。
再び事件は起こりました。
ちょうど、外玉垣からその中に入る境目の部分。二段ほどの低い階段になっているのですが、ここで、私の目の前を歩く母の片方のパンプスが脱げたのです。
えっ……。
勢いで一歩進み、立ち止まった母の右足は裸足状態(ストッキングは穿いていますが……)。
一瞬呆然としましたが、慌てて我に返り、急いで脱げたパンプスを拾って母の足元に置きました。
そのパンプスを無言で履き、何事もなかったかのようにしずしずと歩き始める母……。
笑いが…
さっきまでの穏やかな気持ちはどこへやら。笑いがこみ上げてきてしまって、私はそれを抑えるのに必死にならなければいけませんでした。
外宮での靴事件に引き続き、内宮でも靴事件が起こるとは!!
ダメ、笑ってはダメ、静まれ、御垣内特別参拝なんだぞ、一世一代だぞ、落ち着け、落ち着け……。
……と、にやけそうになる口元を引き結び、中重(なかのえ)鳥居の前に立ちます。
二礼、二拍手、一礼。笑いの静まった厳粛な心で感謝を捧げることができました。
今度は神職さんが
↑しかし、問題は帰り道。母の後をついて歩くと、先ほどの靴事件を思い出して笑ってしまいそうだったので、今度は私が先頭に立って歩くことにしました。
これで一安心……。と思いきや、今度は、私の遠く前を歩く神職さんが、通路の大きな石に足を取られ、「カクッ」となったのです。
歩きにくそうなぽっくりのような靴(浅沓:あさぐつ)を履いていらしたためだと思います。↓
↑ご自分が「カクッ」となったのを気にするかのように、チラッと後ろを振り返る神職さん……。
いつもだったら絶対に可笑しくないし、笑わない場面です。けれどこのときはすでに笑いのツボに入っているのを必死にこらえた状態だったので、それが刺激されてしまって、「うわっ!!」と思いました。
ダメ、ダメ、笑ってはいけない。ダメーー!! 助けてーー!! ご先祖さまーーー!!!
と、ついには心中でご先祖様に助けを求めるハメになりました。
すると、不思議なことに気持ちがスーッと落ち着いて、笑いのざわざわ感が消えていきました。
ああ……助かった……ご先祖様ありがとう……。
こうして、なんとか内宮の御垣内特別参拝も乗り越えることができました。
次回に向けて
しかし……どうして母のパンプスはあんなところで脱げたのか?
聞くと、前日、雨に濡れた状態のパンプスで長く歩いたために、革が伸びてゆるくなってしまったとのことなのです。
「ゆるゆるで元に戻らなさそうだから新しく買い替えなくちゃ」と母。
う~ん。次回は、こういうことも見越して、パンプスと足を固定するバンドのようなものを持参した方が良いかもしれないと思いました。
良い思い出と経験に
今回、結局外宮、内宮ともに御垣内特別参拝中にトラブルが起きて、理想通りとはいきませんでしたが、これもまた良い思い出と経験になりました。
初めての御垣内特別参拝であんまりガチガチだったので、もう少しリラックスして良いよと、ご先祖様が笑える出来事を起こしてくださったのかもしれません(違うか)。
次回はもっと平常心で臨めたら良いなと思います。そうすればどんなことが起きても冷静でいられる……はず。
ちなみに、御垣内特別参拝中、枯れ葉掃除の爆音はまったく聞こえませんでした。
集中していたから聞こえなかっただけなのかもしれませんが、限りない静寂の中で参拝ができて良かったです。
神宮会館で朝食
時刻は、7:20頃になっていました。
神宮会館での朝食を8:00に予約してあるため、それまでには戻らなければいけません。
一つ一つの景色を目に焼き付けながら、帰路につきます。
↑山にたなびく日の丸が可愛い。
↑五十鈴川。昨日の台風で増水しているため、立ち入り禁止のロープが張られていました。
↑宇治橋を渡りきると、内宮前の広場に、社会科見学か何かで来たのでしょうか? 紅白帽をかぶった小学生らしき子供たちの集団がいました。しゃがみ込んで、先生の説明を聞いています。
こんな小さい頃に伊勢神宮に縁があるなんて恵まれているね~! 良かったね~! と思いながら、神宮会館への道を急ぎました。(→「神宮会館の朝食」に続く)